不動産売却で手元に残るお金はいくら?諸費用・税金を引いた「手取り額」のシミュレーション術
「自宅が3,000万円で売れたら、そのまま3,000万円が手に入る」と考えていませんか?実は、不動産売却では仲介手数料や税金などのさまざまな経費が発生するため、実際に自由に使える「手取り金額」は売却価格の約9割程度になることが一般的です。
売却後に「思ったより手元にお金が残らなかった」と後悔しないためには、あらかじめ諸費用を差し引いた実質的な収益を把握しておくことが不可欠です。この記事では、不動産売却にかかるコストの正体と、手取額を正確に算出するためのシミュレーション方法を具体例とともに解説します。
1. 売却価格から引かれる「諸費用」の内訳
不動産を売る際には、主に以下の費用が売却代金から差し引かれます。
仲介手数料:不動産会社に支払う報酬。上限は「(売却価格 × 3% + 6万円) + 消費税」です。
印紙税:売買契約書に貼付する税金(数千円〜数万円)。
登記費用(抵当権抹消):住宅ローンが残っている場合に必要。司法書士への報酬を含め約2万〜5万円。
譲渡所得税・住民税:売却益(譲渡益)が出た場合にかかる税金。
これらを合計すると、売却価格の約4%〜6%前後が諸費用として消えていく計算になります。
2. 「手取り額」を計算する基本の方程式
手元に残る現金を算出するには、以下のステップで計算を行います。
手取り額 = 売却価格 - (諸費用 + 住宅ローン残債 + 譲渡所得税)
最も見落としがちなのが「住宅ローンの残り」です。売却代金でローンを完済しなければならないため、残債が多い場合は手元にお金が残らない「オーバーローン」の状態になる可能性もあります。
3. 【具体例】3,000万円で売却した場合のシミュレーション
以下の条件で、実際に手元にいくら残るか計算してみましょう。
売却価格:3,000万円
購入時の価格:2,500万円
住宅ローン残債:1,500万円
所有期間:10年(長期譲渡所得)
① 諸費用の概算
仲介手数料:約105万円
印紙税・登記費用など:約5万円
諸費用合計:約110万円
② 譲渡所得税の計算
売却益(譲渡益)から税金を計算します。
利益 = 3,000万円 - (2,500万円 + 110万円) = 390万円
税金 = 390万円 × 20.315% = 約79万円
(※マイホーム特例を利用しない場合)
③ 最終的な手取り額
3,000万円(売価) - 110万円(諸費) - 1,500万円(ローン) - 79万円(税金)
= 1,311万円
このように、3,000万円で売れても住宅ローンや税金を差し引くと、手元に残る現金は半分以下になるケースもあります。
4. 手取りを増やすための「3つのお宝対策」
少しでも手残りを多くするためには、以下のポイントを意識しましょう。
譲渡費用を漏れなく計上する:
仲介手数料だけでなく、測量費、立ち退き料、建物解体費なども「譲渡費用」として利益から差し引けます。領収書はすべて保管しておきましょう。
取得費が不明な場合の「5%ルール」を避ける:
古い家などで購入価格が分からない場合、売却額の5%を取得費として計算しますが、これは税金が高くなる原因です。当時のパンフレットや通帳の写しなど、購入額を証明できる書類を探す価値は十分にあります。
特別控除の特例をフル活用する:
「3,000万円特別控除」を使えば、上記のシミュレーションで発生した約79万円の税金を0円にすることも可能です。
まとめ:正確な手残りを知ることで次の計画が立てやすくなる
不動産売却の目的は、単に「高く売ること」ではなく、「納得できる手残りを確保すること」のはずです。売却活動を始める前に、一度シミュレーションを行い、税金や諸費用を引いた「真の収益」を把握しておきましょう。
手元に残る金額が明確になれば、住み替え先の予算や、老後資金の計画もより現実的なものになります。
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