相続した実家を売るなら今?「空き家の3000万円控除」の適用条件と期限をわかりやすく解説
「親から実家を相続したけれど、誰も住む予定がない」
「空き家のまま持っていると税金や維持費がもったいない……」
そんな悩みをお持ちの方にとって、絶対に知っておくべき制度が**「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」**です。
通常、家を売って利益(譲渡益)が出ると、その約20%〜40%を税金として納める必要があります。しかし、この特例を使えば、売却益から最大3,000万円を差し引くことができ、税金がゼロ、あるいは大幅に減額される可能性があります。
ただし、この制度には非常に厳しい「条件」と「期限」があります。知らないうちに期限を過ぎて後悔しないよう、ポイントを整理して解説します。
1. 「空き家の3000万円控除」とはどんな制度?
この制度は、増加する空き家問題への対策として作られました。
本来、自分が住んでいない「空き家」や「相続した家」には、マイホーム売却時の優遇(3000万円控除)は使えません。しかし、一定の基準を満たす古い空き家に限り、相続人が売却した際にも3000万円の控除を認めるという特別な救済措置です。
この特例を利用できるかどうかで、手元に残るお金が数百万円単位で変わることも珍しくありません。
2. 絶対に外せない!5つの主要な適用条件
この特例を受けるには、以下のハードルをすべてクリアする必要があります。
① 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられたこと
いわゆる「旧耐震基準」の建物が対象です。これ以降に建てられた比較的新しい家は対象外となります。
② 親が一人で住んでいたこと(一人暮らし)
相続が始まる直前まで、被相続人(亡くなった親など)が一人で住んでいたことが条件です。老人ホームに入所していた場合も一定の条件(※)で認められますが、同居人がいた場合は対象外です。
③ 相続から売却までずっと「空き家」であること
相続した後に、誰かが住んだり、貸し出したり(事業用に使用)した場合はアウトです。
④ 売却代金が「1億円以下」であること
高額な物件には適用されません。分割して売却した場合も、合算して1億円以下である必要があります。
⑤ 耐震改修をするか、更地にして売ること
ここが最大のポイントです。古い家(旧耐震)なので、そのままでは売れません。
耐震リフォームをして売る
建物を解体して更地(土地だけ)にして売る
どちらかの対応が必要です(2024年以降の改正により、売却後に買主が耐震改修や解体を行う場合も対象となりました)。
3. 注意すべき「期限」と「法改正」
この特例にはタイムリミットがあります。
売却期限: 相続開始(親が亡くなった日)から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。
制度の期限: 現在のところ、2027年(令和9年)12月31日までの売却が対象となっています。
「まだ先だから」と思って放置していると、家財道具の整理や解体工事の調整、買い手探しに時間がかかり、あっという間に期限が迫ってしまいます。
4. 2024年からの最新ルール:相続人が多いとお得?
2024年1月1日以降の売却から、新しいルールが適用されています。
これまでは相続人が何人いても合計で3,000万円の控除でしたが、**「相続人が3人以上いる場合は、控除額が一人あたり2,000万円(合計最大6,000万円)」**に制限される変更がありました。
兄弟で分割相続した場合などは、一人ひとりが控除を受けられるため、税金対策として非常に有利になります。
まとめ:実家売却は「早めの決断」が成功の鍵
相続した実家をそのまま放置しておくと、固定資産税がかかり続けるだけでなく、特定空き家に指定されて税金が数倍に跳ね上がるリスクもあります。
「空き家の3000万円控除」は、古い実家を賢く手放し、次の世代に資産を繋ぐための絶好のチャンスです。
まずは、自分の実家が「昭和56年5月以前の建物か」を確認し、今の価値がどれくらいあるのか査定してみることから始めましょう。
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