空き家売却の3,000万円控除とは?適用条件のチェックリストと知らないと損する節税のコツ


「相続した実家が空き家になっているけれど、売却すると税金がかなりかかるのでは?」と不安に感じていませんか?

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、通常はその利益に対して約20%〜39%もの所得税・住民税が課税されます。

しかし、一定の条件を満たすことで売却益から最大3,000万円を差し引ける**「空き家特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例)」**を活用すれば、税負担を大幅に、あるいはゼロにできる可能性があります。

この記事では、制度の概要から最新の適用条件、知らないと損をする注意点までを詳しく解説します。


1. 「空き家特例」でどれくらい節税できる?

この特例は、相続した実家(空き家)を売却した際に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。

たとえば、売却益が2,000万円出た場合、通常であれば約400万円(所得税・住民税が20%と仮定)の税金がかかります。しかし、この特例を適用できれば、課税対象が0円になるため、400万円がそのまま手元に残ることになります。

非常に強力な節税手段ですが、適用には「物件の築年数」や「売却時期」などの厳しいハードルが設けられています。


2. 適用条件チェックリスト

ご自身が相続した物件が対象になるかどうか、以下の項目を確認してみましょう。

物件に関する条件

  • [ ] 旧耐震基準の建物である: 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された戸建て住宅であること。

  • [ ] 区分所有建物ではない: マンションなどの集合住宅は対象外です。

  • [ ] 相続直前まで「一人暮らし」だった: 被相続人(亡くなった方)が一人で住んでいたことが原則です。

    • ※老人ホーム等に入所していた場合でも、一定の要件を満たせば対象となります。

相続から売却までの条件

  • [ ] 売却時まで空き家のまま: 相続してから売るまでの間、人に貸したり、自分で住んだり、事業に使ったりしていないこと。

  • [ ] 売却価格が1億円以下: 建物と土地の合計代金が1億円を超えると、特例は一切使えません。

  • [ ] 耐震リフォーム済み、または更地にして売却: 現行の耐震基準を満たすか、建物を解体して土地として売る必要があります。

    • ※最新の改正により、売却後に買主が取り壊し等を行う場合も対象となりました(期限あり)。

期間の条件

  • [ ] 相続から3年目の年末まで: 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。

  • [ ] 制度自体の期限: 現在、この特例は2027年(令和9年)12月31日までの譲渡が対象となっています。


3. 知らないと損する!最新の注意点

法改正により、利便性が向上した一方で、控除額が制限されるケースも出てきました。

相続人が3人以上の場合は「2,000万円」に

以前は相続人が何人いても一人につき3,000万円の控除が受けられましたが、現在は相続人が3人以上の場合は、一人あたりの控除額が2,000万円に引き下げられています。 共有名義で売却を検討している場合は、事前のシミュレーションが不可欠です。

「被相続人居住用家屋等確認書」が必要

この特例を受けるためには、物件がある市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」という書類を発行してもらう必要があります。これには電気・ガスの使用廃止日の証明などが必要になるため、解体前や売却前に資料を揃えておくことがスムーズな申請のコツです。

相続税の取得費加算特例との併用不可

「相続税の取得費加算の特例」という別の節税制度がありますが、空き家特例とはどちらか一方しか選べません。 どちらを適用したほうが最終的な手残り額が多くなるかは、税理士などの専門家に試算を依頼するのが賢明です。


4. 収益を最大化するための売却戦略

空き家を高く、そして賢く売るためには、単なる節税だけでなく「売り方」も重要です。

  • 解体のタイミングを見極める: 固定資産税の軽減措置は建物があることで受けられます。解体して更地にする場合は、売却の目処が立ってから動くのがコストを抑えるポイントです。

  • 測量を済ませておく: 古い物件の場合、隣地との境界が曖昧なことが多いです。境界確定を済ませておくことで、買主の安心感が増し、結果として高値での早期成約につながります。


まとめ:早めの現状確認が大きな利益を生む

空き家売却の3,000万円控除は、相続した資産を守るための非常に有利な制度です。しかし、昭和56年以前の建物限定であることや、売却期限があることなど、時間が経つほどチャンスを逃すリスクが高まります。

「うちは対象になるかな?」と迷ったら、まずは信頼できる不動産会社や税理士に相談してみましょう。制度の要件をしっかりクリアし、最適なタイミングで売却を進めることが、収益を最大化させる唯一の方法です。

放置して維持費を払い続ける前に、まずは一歩、行動に移してみませんか?


相続した不動産を賢く売却する方法!税金対策から高値売却のコツまで徹底解説