アパート買取(即時買取)の真実!売却で失敗しないためのメリット・デメリット徹底解説
はじめに:アパート売却で「買取」を選ぶのはどんな時?
所有している**アパート(一棟もの)を手放す際、多くのオーナーさんが最初に考えるのは、不動産会社に仲介を依頼して「買主を探してもらう(仲介)」**という方法でしょう。
しかし、近年、「アパート買取(即時買取)」という手法を選ぶケースが増えています。これは、不動産買取業者が直接あなたの物件を買い取る方法です。仲介のように買主を探す期間がないため、短期間で現金化できるのが最大の魅力です。
一方で、仲介と買取では、最終的な手残り金額や売却期間に大きな差が出ます。特にアパートのような収益物件の場合、売却のタイミングやスピードが事業計画に直結するため、買取のメリット・デメリットを正確に理解しておくことが極めて重要です。
この記事では、アパート買取のメリット(利点)とデメリット(欠点)を徹底的に解説し、あなたの売却目的や状況に合わせて、「買取」を選ぶべきか、それとも「仲介」を選ぶべきかを判断するための指針を提供します。
1. アパート買取の「4つのメリット」:スピードと安心感
アパートを業者に直接買い取ってもらうことで得られる、仲介にはない利点です。
メリット1:売却までの期間が「圧倒的に早い」
これがアパート買取の最大のメリットです。
最短3日〜1ヶ月で現金化: 仲介の場合、買主探しから契約・決済まで半年から1年かかることも珍しくありません。しかし買取なら、業者の査定から契約、決済までを最短数日〜1ヶ月で完了でき、すぐに現金を得ることができます。
急な資金ニーズに対応: 相続で急いで現金化したい、または次の投資物件の購入資金に充てたいなど、迅速な資金調達が必要な場合に最適です。
メリット2:売却後の「契約不適合責任」を免除できる
不動産売却において、売主にとって最も大きなリスクの一つが**「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」**です。
リスクからの解放: 仲介の場合、売却後、隠れた欠陥(雨漏り、シロアリなど)が見つかると、売主が損害賠償や修繕費用を負う可能性があります。しかし、不動産業者への買取では、この責任を免除してもらえることがほとんどです。
精神的負担の軽減: 売却後のトラブルリスクがなくなり、精神的な負担から解放されます。
メリット3:仲介手数料が不要
仲介の場合、仲介業者へ**「売却価格の3%+6万円+消費税」**という高額な手数料を支払う必要があります。
コスト削減: 買取の場合、あなたが直接業者と取引するため、仲介手数料は一切かかりません。ただし、後述の通り、売却価格自体が仲介より安くなるため、トータルコストの検討が必要です。
メリット4:内見対応や広告活動が不要
仲介では、入居者や周辺住民への配慮をしつつ、何度も買主候補の内見対応をしたり、広告活動に協力したりする手間がかかります。
秘密厳守の売却: 買取では内見は一度きり、または数回の業者の確認だけで済むため、入居者に知られることなく、秘密裏にスムーズに売却を進めたい場合に有利です。
2. アパート買取の「3つのデメリット」:価格の妥協点
買取を選ぶ上で、最も慎重に検討すべきは「価格」に関するデメリットです。
デメリット1:仲介よりも「売却価格が安くなる」
買取最大の欠点であり、多くのオーナーが悩むポイントです。
相場より2〜3割安くなることも: 買取業者は、物件を買い取った後、リフォーム費用や運用リスク、そして業者の利益を確保しなければなりません。そのため、一般的に市場価格(仲介で売れる価格)よりも2〜3割程度安い価格での取引となります。
売却の緊急度とのトレードオフ: 「スピード」と「価格」のどちらを優先するかというトレードオフの関係にあることを理解しておく必要があります。
デメリット2:買取価格が「修繕費」を考慮して引かれる
築年数が古く、修繕が必要なアパートほど、買取価格は厳しくなります。
現状のまま売れるが...: 仲介では売主がリフォームや修繕を行うことがありますが、買取では現状のまま売却できます。しかし、業者はその後の大規模修繕費用や空室リスクを厳しく見積もり、買取価格から差し引きます。
デメリット3:買取業者の「選定」が難しい
買取業者の提示価格は、業者によって大きく異なります。
比較が難しい: 仲介とは異なり、買取価格には明確な相場が存在せず、各業者の再販戦略によって価格が大きく変動します。
対策: 複数の買取専門業者に査定を依頼し、最低でも3社以上の価格を比較することが必須です。
3. まとめ:【判断基準】買取と仲介はどちらを選ぶべきか?
あなたの売却目的が**「価格」か「スピード」**かによって、最適な選択肢は異なります。
目的 | 最適な選択肢 | 理由と状況 |
【価格重視】 | 仲介(時間をかけて売却) | 市場価格に近い最高額での売却を目指す場合。売却期間に半年以上の余裕がある、収益性・立地に自信がある場合。 |
【スピード・手軽さ重視】 | 買取(即時現金化) | 契約不適合責任を避けたい、急いで現金化したい、入居者に知られずに秘密裏に売却したい場合。 |
まずは、仲介業者に依頼した場合の**「市場価格」と、買取業者に依頼した場合の「買取価格」の両方を提示してもらい、「手残り金額」**を比較検討することから始めましょう。これが、アパート売却で失敗しないための第一歩です。