不動産買取と贈与税・譲渡所得税の関係:知っておきたい税金のポイント
「親から実家を買い取ることになったけど、贈与税や税金が心配…」
「不動産を売却したら、どんな税金がかかるの?」
不動産を売買する際、贈与税や譲渡所得税といった税金について不安に感じる方は多いのではないでしょうか。特に、親子や親族間での売買は、思わぬ税金が発生する可能性があるため、注意が必要です。
この記事では、不動産買取と贈与税・譲渡所得税の関係について、知っておきたい重要なポイントを分かりやすく解説します。
1. 「不動産買取」と「贈与」の違いを理解する
まず、最も重要なのが「不動産を買い取ること」と「贈与すること」の違いです。
不動産買取(売買):
お金を支払って不動産を購入することです。売り手と買い手の間で、適正な価格(時価)で取引が行われるため、原則として贈与税はかかりません。
贈与:
お金を支払うことなく、無償で財産を受け取ることです。贈与を受けた側(もらう側)に贈与税がかかります。
親子や親族間での売買では、市場価格(時価)よりも著しく安い価格で取引すると、税務署から「実質的には贈与だ」と見なされ、贈与税が課税される可能性があります。
対策: 親族間で不動産を売買する場合でも、必ず不動産の時価を把握し、適正な価格で取引を行いましょう。不動産鑑定士に鑑定を依頼したり、複数の不動産業者に査定を依頼したりして、客観的な価格を算出することが重要です。
2. 不動産を売却した際にかかる「譲渡所得税」とは?
不動産を売却した側(売る側)に発生する可能性があるのが、**「譲渡所得税」**です。これは、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対してかかる税金です。
譲渡所得の計算方法:
譲渡所得 = 収入金額 − (取得費 + 譲渡費用)
収入金額: 不動産を売却した金額
取得費: 不動産を購入したときの費用(購入代金、仲介手数料、登録免許税など)
譲渡費用: 不動産を売却するためにかかった費用(仲介手数料、印紙税など)
もし、この計算で譲渡所得がマイナス(損失)になった場合は、譲渡所得税はかかりません。
税率:
譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。
短期譲渡(所有期間5年以下): 所得税30%、住民税9%
長期譲渡(所有期間5年超): 所得税15%、住民税5%
※別途、復興特別所得税(所得税の2.1%)がかかります。
3. 知っておきたい「3,000万円特別控除」
自宅を売却する場合、条件を満たせば**「マイホームを売ったときの3,000万円特別控除」**という特例を利用できます。
これは、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。この特例を利用できれば、ほとんどの場合、譲渡所得税がかかることはありません。
主な適用条件:
自分が住んでいた家屋を売却すること
家屋を取り壊した場合は、その敷地の譲渡契約が取り壊しから1年以内に締結され、かつ、更地にしてから3年後の12月31日までに売却すること
※その他、様々な条件がありますので、税理士や専門家に相談して確認しましょう。
まとめ
不動産の買取(売買)では、贈与税と譲渡所得税という2つの税金に注意が必要です。
特に、親子間での売買では、適正な価格で取引しなければ、贈与と見なされて贈与税が課税されるリスクがあります。また、売却益が出た場合は譲渡所得税がかかる可能性がありますが、「3,000万円特別控除」などの特例を利用することで、税金を抑えることができる場合があります。
不動産の売買には専門的な知識が不可欠です。不安な点があれば、不動産業者や税理士などの専門家に相談して、事前にしっかりと計画を立てることが、後々のトラブルを防ぐための最善策と言えるでしょう。