🏠 戸建ての「買取」で大損しないために!知っておきたい贈与税と譲渡所得税の超重要な関係
「親の家を買い取ることになったけど、贈与税と譲渡所得税って両方かかるの?」「相場より安く家を売ったら、後で税務署から連絡が来てしまうのでは…?」
戸建てや不動産の買取は、人生で何度も経験することのない大きな取引です。特に親子間や親族間での売買では、税金のルールを正しく理解していないと、思いがけない高額な税金を請求され、大きな損をしてしまうリスクがあります。
この記事では、戸建ての買取、特に親族間売買に焦点を当て、誰もが陥りがちな贈与税(みなし贈与)と譲渡所得税の関係を、わかりやすく徹底解説します。あなたの大切な資産を守り、税金トラブルを回避するための具体的な対策と計算のポイントを、一緒に確認していきましょう!
1. 知らないと危険!「譲渡所得税」と「贈与税」の基本的な違い
戸建ての売買(譲渡)と贈与では、税金がかかる人(納税者)と税金の種類が根本的に異なります。この基本を押さえることが、税務リスクを回避する第一歩です。
項目 | 売買(譲渡) | 贈与 |
税金の種類 | 譲渡所得税(所得税・住民税) | 贈与税 |
納税義務者 | 売主(譲渡する人) | 買主(贈与を受ける人) |
課税対象 | 売却による利益(譲渡所得) | 贈与された財産の価額 |
特徴 | 利益が出なければ非課税 | 年間110万円の基礎控除あり |
一般的な戸建て買取では、売主は売却益に対して譲渡所得税を、買主は不動産取得税や登録免許税を負担します。
しかし、親族間取引では、「みなし贈与」という特別なルールが関わってくるため、話が複雑になるのです。
📌 贈与税と譲渡所得税が両方かかるケースとは?
戸建ての売買を行ったにもかかわらず、贈与税も課税される可能性があるのが、「時価より著しく低い価格」で取引した場合です。
これは、売買価格と時価(適正な市場価格)の差額が、売主から買主への贈与であると税務署に判断されるためです。この差額に対して課税されるのが、俗に言う「みなし贈与」による贈与税です。
みなし贈与の課税対象になるのは、原則として**買主(受け取った側)**です。しかし、売主は売却益がなくても、譲渡所得税の計算上、時価で売却したと見なされ、納税義務が生じる可能性もあります。
2. 恐ろしい「みなし贈与」のリスク!戸建て買取の適正価格とは?
「時価より著しく低い価格」とは、具体的にどの程度の金額なのでしょうか?
税務署は明確な基準を公開していませんが、一般的には、時価の80%未満での取引は**「みなし贈与」**と判断されるリスクが非常に高いと言われています。
取引価格の目安 | 税務リスクの可能性 |
時価の80%以上 | リスク低い。通常の売買と見なされやすい。 |
時価の50%~80%未満 | みなし贈与とされるリスクあり。 |
時価の50%未満 | みなし贈与のリスクが非常に高い。 |
💡 税務署がチェックする「適正な時価」の調べ方
親族間売買で税金トラブルを回避するためには、適正な価格(時価)を把握し、その価格に近い金額で売買することが最重要です。
不動産会社による査定価格の取得:複数の不動産会社に査定を依頼し、その平均値や最大値を参考にします。これが最も一般的な時価の目安となります。
固定資産税評価額や路線価との比較:これらは公的な評価額ですが、時価とは大きく異なります。あくまで参考情報として利用し、査定価格を重視しましょう。
不動産鑑定士による鑑定:最も信頼性が高く、税務署に対しても強力な証明となります。費用はかかりますが、高額な戸建てや税務リスクを完全に排除したい場合に有効です。
3. 譲渡所得税の計算と特例(3,000万円特別控除の罠)
売主に課税される譲渡所得税は、以下の計算式で算出されます。
売却価格(収入金額):戸建てを買い取った金額。
取得費:購入代金や建築費、仲介手数料、改良費など。相続した戸建ての場合、親(被相続人)が購入した時の金額を引き継ぎます。
譲渡費用:売却時の仲介手数料、印紙代、測量費など。
譲渡所得がプラスになった場合にのみ、所得税(長期なら15%、短期なら30%)と住民税(長期なら5%、短期なら9%)がかかります。(※別途、復興特別所得税が加算されます)
所有期間が5年超であれば税率の低い長期譲渡所得となり、節税効果が非常に大きくなります。
🚨 親族間売買で使えない「3,000万円特別控除」
自宅を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」は、非常に強力な節税特例です。
しかし、この特例は「売主と買主が親子や夫婦など特別な関係でないこと」が適用要件の一つとされています。
したがって、親子間や生計を一にする親族間で戸建てを買取(売買)した場合、原則としてこの3,000万円控除は使えません。
親族間で売買益が出た場合、この特例が使えないことで、想定外に多額の譲渡所得税を納税することになるため、特に注意が必要です。
4. 【高収益対策】贈与税・譲渡所得税を最適化する戦略
戸建て買取における税金を最適化し、トラブルを避けるための具体的な戦略を解説します。
✅ 戦略1:適正価格での現金売買を徹底する
みなし贈与のリスクを完全に避けるためには、第三者との取引と同じように、不動産会社の査定価格を目安とした適正価格で売買を成立させることが鉄則です。
査定書や不動産鑑定評価書など、価格の根拠となる書類を必ず残しておくこと。
売買代金は銀行振り込みなど、記録が残る方法で支払いを行うこと。
この手続きを丁寧に行うことで、「これは贈与ではなく、通常の売買である」と税務署に証明できます。
✅ 戦略2:住宅ローン減税の適用可否をチェック
買主が住宅ローンを組んで戸建てを買い取る場合、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)」が適用できるかどうかも重要です。
これは、生計を一にする親族からの取得ではないことが条件となるため、親子間売買でこの特例を受けられないケースが多くあります。買主側の税金対策も考慮して、事前に専門家に相談しましょう。
✅ 戦略3:**「贈与」**の特例活用も検討する
売買ではなく、あえて贈与の形をとる方が、税制上のメリットが大きい場合もあります。
暦年課税の基礎控除(年間110万円):年間110万円以下であれば非課税。
相続時精算課税制度:2,500万円までの贈与が非課税となる制度(相続時に精算が必要)。
住宅取得等資金の贈与の非課税特例:直系尊属(親や祖父母)からの住宅資金贈与に適用される非課税枠を利用する。
これらの贈与税の特例を組み合わせることで、売買による譲渡所得税やみなし贈与のリスクを回避しながら、資産を移転できる可能性があります。
さいごに
戸建ての買取は、特に親族間で行う場合、贈与税と譲渡所得税という2つの大きな税金が複雑に絡み合います。
「安く売ってあげたい」「税金はかからないだろう」という安易な判断は、後々の高額な追徴課税という最悪の事態を招きかねません。
あなたの大切な財産を守り、円満で確実な戸建て買取を実現するためにも、取引を行う前に必ず不動産の専門家や税理士などのプロフェッショナルに相談し、税務リスクのない最適な取引価格と方法を確認することが、成功の鍵となります。
ぜひ、税金の専門知識を活用し、賢く、安全な資産の承継を進めてください。