【取得費不明でも諦めない】不動産売却の税金を安くする「購入価格」の証明方法5選
「昔買った家だから契約書なんてどこかにいってしまった……」
「親から相続した実家の購入価格なんて、今の自分には検討もつかない……」
不動産を売却する際、多くの方が直面するのが**「取得費(買った時の価格)がわからない」**という問題です。
もし取得費が証明できないと、税務署からは「売却価格の5%」を取得費として計算するように指示されます(概算取得費)。しかし、これでは実際の購入価格より大幅に低く見積もられることが多く、本来払う必要のない高額な譲渡所得税を支払うことになりかねません。
例えば、5000万円で売れた家の取得費が不明で5%(250万円)とされた場合、残り4750万円が「利益」とみなされ、莫大な税金がかかります。
でも、諦めるのはまだ早いです。契約書がなくても、「客観的な証拠」を積み上げれば、実額に近い取得費を認められる可能性があります。今回は、高額な税金を回避するための「購入価格の証明方法5選」を徹底解説します。
1. 銀行の「通帳の記録」や「住宅ローンの関係書類」
最も強力な証拠となるのが、お金の流れを直接示す書類です。
通帳の写し:購入当時の通帳に、不動産会社や売主への振り込み記録が残っていませんか?
金銭消費貸借契約書:住宅ローンを借りた際の契約書です。借入金額から、当時の物件価格を逆算して推計する有力な材料になります。
返済予定表:ローン完済後でも、当時の償還表が残っていれば、元本額を証明する一助となります。
たとえ手元になくても、銀行によっては過去の取引履歴を有料で発行してくれるケースがあるため、まずは相談してみる価値があります。
2. 購入時の「パンフレット」や「価格表」
特に分譲マンションや大規模な新築戸建ての場合、当時の販売資料が役立ちます。
分譲時のパンフレット:自分の住戸の平米数や間取りが記載された資料です。
価格表のコピー:当時の販売価格が一覧になっているチラシや冊子。
近隣の成約事例:同じマンションの別の部屋がいくらで売られていたかのデータ。
これらは直接的な領収書ではありませんが、当時の市場価格を裏付ける「間接的な証拠」として、他の書類と組み合わせることで信頼性が高まります。
3. 登記簿謄本の「抵当権設定金額」
書類が一切見つからない場合の「お宝情報」が、法務局で誰でも取得できる**「登記事項証明書(登記簿謄本)」**です。
謄本の「乙欄」を見ると、購入時に銀行が設定した「抵当権(ローンの担保)」の金額が記載されています。通常、ローンは物件価格の8割〜10割程度で組まれることが多いため、この抵当権の設定金額から、当時の購入価格を合理的に推計することが可能です。
4. 「建物の標準的な建築価額表」を活用する
建物については、国税庁が公表している**「建物の標準的な建築価額表」**という便利な指標があります。
これは、建築年と構造(木造、鉄筋コンクリート造など)に基づき、当時の平均的な建築単価を算出したものです。この表に建物の面積を掛け合わせることで、当時の建築費を推計できます。
※ただし、この方法で算出した価額からは、築年数に応じた「減価償却」を差し引く必要がある点には注意が必要です。
5. 「市街地価格指数」による推計(土地の場合)
土地の価格を証明したい場合に有効なのが、一般財団法人日本不動産研究所が公表している**「市街地価格指数」**です。
これは、全国の土地価格の推移を指数化したものです。
「現在の売却価格」に「購入時と売却時の指数の比率」を掛け合わせることで、当時の土地代を逆算します。この方法は、税務署との交渉において「合理的な推計方法」として認められるケースがあります。
最後に:複数の証拠を組み合わせた「申述書」の作成がカギ
上記5つの方法は、どれか一つだけで完璧とは言えないこともあります。しかし、**「通帳の振込跡」+「謄本の抵当権額」+「パンフレットの価格」**というように、複数のパズルを組み合わせることで、証拠の信憑性は飛躍的に高まります。
これらの資料を揃えた上で、なぜ契約書がないのか、どのように価格を導き出したのかを説明する**「申述書(報告書)」**を添えて申告することが、節税成功への最短ルートです。
「5%ルール」で損をする前に、まずは家の中に眠っている古い封筒や、銀行・法務局の記録をチェックしてみましょう。
次は、あなたの物件で「どの証明方法が一番有利になるか」を一緒にシミュレーションしてみませんか?
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