物件買取の相場を調べる方法|損しないための賢いアプローチとは?
「家を売りたいけど、一体いくらで売れるんだろう?」
そう考えたとき、多くの方が最初に行うのが「相場を調べる」ことですよね。特に、仲介ではなく、不動産会社に直接買い取ってもらう「物件買取」の場合、相場が分かりにくく、どうやって調べたらいいか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、物件買取の相場を自分で調べる方法を、初心者の方でも分かりやすく、具体的に解説します。さらに、相場を把握するだけでなく、損をしないための賢いアプローチもお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
なぜ物件買取の相場は分かりにくい?
まず知っておきたいのは、物件買取と一般的な「仲介売却」の違いです。
仲介売却: 不動産会社が買主を探してくれ、市場価格に近い価格で売却できることが多い。相場は不動産ポータルサイトなどで比較的調べやすい。
物件買取: 不動産会社が直接買主になるため、広告費用やリフォーム費用、会社の利益などが差し引かれます。そのため、市場価格よりも安くなるのが一般的です。
このため、不動産ポータルサイトで調べた「市場価格」をそのまま当てはめてしまうと、買取価格とのギャップに驚いてしまうことがあります。だからこそ、買取の相場をしっかり把握しておくことが大切なのです。
【すぐにできる】物件買取の相場を自分で調べる3つの方法
物件買取の相場を調べるには、以下の3つのアプローチがおすすめです。それぞれの方法を組み合わせて使うことで、より正確な相場感がつかめます。
1. 不動産ポータルサイトで類似物件をチェックする
まずは、最も手軽な方法です。SUUMOやLIFULL HOME'Sといった大手不動産ポータルサイトで、ご自身の物件と似た条件(エリア、築年数、広さ、間取りなど)の物件を探してみましょう。
【ポイント】
注意点: ここで表示されているのは「仲介売却」の価格です。買取価格は一般的にこの7〜8割が目安と言われています。
計算方法: 「類似物件の販売価格 × 0.7〜0.8」で、おおよその買取価格をシミュレーションしてみましょう。
具体的な探し方: 検索条件を細かく設定することで、より近い物件を見つけやすくなります。
2. 公的データで過去の取引事例を調べる
より客観的な情報を知りたい場合は、国土交通省が提供している「不動産取引価格情報検索」を利用してみましょう。
このサイトでは、実際に過去に行われた不動産取引の価格が公開されています。エリアや取引時期、物件の種類などを入力して検索すると、ご自身の物件に近い取引事例を見つけることができます。
【ポイント】
メリット: 実際の成約価格なので信頼性が高い情報です。
デメリット: 物件の特定はできないため、あくまで「相場の参考」として活用しましょう。
3. 不動産一括査定サイトを利用して複数の会社に査定を依頼する
これが最も確実で、精度の高い相場を知るための方法です。物件一括査定サイトを利用すれば、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼することができます。
【ポイント】
買取専門の会社を探す: 仲介も買取も手掛ける会社だけでなく、買取を専門に行っている会社に査定を依頼するのがおすすめです。専門会社の方が、買取価格に強みを持っていることが多いです。
査定価格の比較: 複数の会社から査定額を提示してもらい、その金額を比較することで、相場感がより明確になります。また、なぜその価格になったのか、根拠も聞いてみましょう。
無料査定: 多くのサイトが無料で利用できます。査定を依頼したからといって、必ず売却しなければならないわけではありませんので、気軽に利用してみましょう。
損をしないための賢いアプローチ
物件買取で損をしないためには、ただ相場を調べるだけでなく、いくつかのステップを踏むことが重要です。
1. 買取と仲介のメリット・デメリットを比較検討する
まずは、ご自身の物件や状況に合わせて、買取と仲介のどちらが適しているかを考えてみましょう。
| メリット | デメリット | |
| 買取 | ・現金化が早い<br>・仲介手数料が不要<br>・契約不適合責任(売却後の不具合)が免責になることが多い | ・仲介より売却価格が安い<br>・不動産会社が限定される |
| 仲介 | ・買取よりも高く売れる可能性が高い<br>・多くの買主にアピールできる | ・現金化まで時間がかかる<br>・仲介手数料が発生する<br>・契約不適合責任を負う場合がある |
【こんな人には買取がおすすめ】
とにかく早く現金が必要な方
築年数が古い、劣化が激しいなど、そのままの状態では売りにくい物件の方
近隣に知られずに売却を進めたい方
2. 複数の会社から買取価格を提示してもらう
これが最も重要なポイントです。不動産会社によって得意な物件や評価基準が異なるため、査定価格に差が出ることがよくあります。
「たった一社だけの査定で決めてしまう」のは、損をする大きな原因になります。必ず複数社に査定を依頼し、最も納得のいく価格を提示してくれた会社を選びましょう。
3. 査定価格の根拠を確認する
提示された査定額が、なぜその金額になったのか、担当者に詳しく聞いてみましょう。
リフォーム費用や解体費用をどれくらい見積もっているか?
その物件のどんな点を評価してくれたのか?
近隣の成約事例はあるか?
など、具体的な質問をすることで、その会社の専門性や信頼度を見極めることができます。
まとめ:買取相場を制する者は、物件売却を制する
物件買取の相場を自分で調べることは、決して難しいことではありません。
不動産ポータルサイトで目安を知る
公的データで客観的な情報を得る
一括査定サイトで複数の買取価格を比較する
この3つのステップを実践するだけで、あなたは物件売却を有利に進めることができます。
「相場を知らないから」と不動産会社任せにしてしまうと、知らないうちに損をしてしまう可能性も。ぜひこの記事を参考に、ご自身の物件の価値を正しく把握し、納得のいく買取を実現してくださいね。