【森の息吹を感じる一杯】シングルモルトウイスキー白州の魅力と楽しみ方
日本のウイスキーといえば、「山崎」と並んでその名を馳せるのが、サントリーのシングルモルトウイスキー**「白州(はくしゅう)」**です。南アルプスの豊かな自然に抱かれた「森の蒸溜所」で育まれる白州は、その名の通り、まるで森の息吹を感じさせるような清々しさと、ほのかなスモーキーさが特徴のウイスキーとして、国内外で高い評価を得ています。
しかし、「白州ってどんな味?」「どうやって飲むのが美味しいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
この記事では、サントリーが誇るシングルモルトウイスキー白州の深い魅力に迫ります。その独特な味わいの秘密から、おすすめの飲み方、そして手に入れるためのヒントまで、白州の全てを徹底解説します。
白州ってどんなウイスキー?「森の蒸溜所」が育む味わい
白州は、山梨県北杜市にある白州蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーです。シングルモルトとは、単一の蒸溜所のモルト(大麦麦芽)原酒のみを使い、瓶詰めされたウイスキーのこと。白州蒸溜所が持つ個性が、そのまま「白州」の味わいとなって表現されています。
白州の味わいを形作る3つの要素
白州の個性的で爽やかな味わいは、以下の3つの要素によって生み出されています。
清冽な南アルプスの天然水:
白州蒸溜所の仕込み水には、南アルプスの山々に降り注いだ雨や雪が、花崗岩層を20年もの歳月をかけてゆっくりと潜り抜け、磨き上げられた天然水が使われています。この適度なミネラル分を含んだ軟水が、白州の軽やかでキレの良い口当たりと、爽やかな味わいの土台を築いています。
“森の蒸溜所”の澄みきった空気と厳しい気候:
広大な森に囲まれた白州蒸溜所の清澄な空気は、ウイスキーの熟成に最適な環境を提供します。また、標高が高いため昼夜の寒暖差が大きく、四季折々の気候がウイスキーの熟成を促進し、複雑で奥深い香味が育まれます。
匠の技と多彩な原酒のつくり分け:
白州蒸溜所では、発酵槽の材質や形、蒸溜釜の形、そして貯蔵樽の種類など、様々な工夫を凝らすことで、驚くほど多種多様なモルト原酒がつくられています。これらの個性の異なる原酒を、ブレンダーが匠の技で選定し、ブレンドすることで、「白州」ならではの複雑で奥行きのある味わいが生まれるのです。
白州のテイスティングノート
「白州」を口にした時、まず感じるのは森の若葉のような、みずみずしくフレッシュな香りです。まるで森林浴をしているかのような、清々しいアロマが鼻腔をくすぐります。
味わいは爽やかで軽快、そしてキレが良いのが特徴です。ほのかに感じる甘みと、スモーキーな香りが心地よいアクセントとなり、その余韻は長く、清々しい印象を残します。青りんごや洋梨のようなフルーティーなニュアンスも感じられるでしょう。
白州の主なラインナップと特徴
現在、サントリーシングルモルトウイスキー白州には、主に以下のラインナップがあります。
サントリーシングルモルトウイスキー 白州(ノンエイジ):
熟成年数の表記がないスタンダードボトル。若葉のような爽やかな香りと軽快な味わいが特徴で、白州らしさを最も気軽に楽しめる一本です。
サントリーシングルモルトウイスキー 白州12年:
酒齢12年以上のモルト原酒を吟味してつくられた銘柄。ノンエイジの爽やかさに加え、ふっくらとした果実味と、より深い香りが感じられます。キレの良さは健在です。
サントリーシングルモルトウイスキー 白州18年:
酒齢18年以上の長期熟成モルトが織りなす、複雑なコクと甘み、そして芳醇な樽香が特徴。ほのかなスモーキーさと熟した果実香が調和した、より深みのある味わいです。
サントリーシングルモルトウイスキー 白州25年:
酒齢25年を超える貴重な長期熟成原酒から厳選された、まさにプレミアムな逸品。芳醇壮麗な香味と、圧倒的な奥行き、そして長い余韻が楽しめます。
なぜこんなに人気?白州が愛される理由
白州がこれほどまでに多くのウイスキーファンに愛され、品薄になるほどの人気を博しているのには、いくつかの理由があります。
唯一無二の「森香る」味わい: 世界的に見ても珍しい「森の蒸溜所」という環境が育む、他に類を見ない清々しく爽やかな味わいは、特に日本の繊細な味覚を持つ人々にとって魅力的に映ります。
飲みやすさと奥深さの共存: 軽やかでキレの良い口当たりはウイスキー初心者にも飲みやすく、それでいて多彩な原酒が織りなす複雑な香味は、ウイスキー愛好家をも唸らせる奥深さを持っています。
ハイボールとの相性抜群: 炭酸で割ってもその個性が失われず、むしろ「森香るハイボール」としてその爽やかさが一層引き立つため、ハイボール愛飲者からの支持も厚いです。
国際的な評価: ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)などの国際的な酒類コンペティションで数々の賞を受賞しており、その品質は世界でも認められています。
ジャパニーズウイスキー人気の高まり: 近年、世界的にジャパニーズウイスキーの評価が高まっており、白州もその波に乗って注目度が増しています。
白州を美味しく愉しむおすすめの飲み方
白州は、その個性を最大限に引き出す様々な飲み方が楽しめます。
ハイボール:
白州の魅力を最も手軽に、そして爽やかに味わうなら、やはりハイボールが一番のおすすめです。
作り方: 冷やしたグラスに氷をたっぷり入れ、白州を注ぎます。冷えたソーダをゆっくりと注ぎ、マドラーで縦に一度だけ軽く混ぜます。炭酸が抜けないようにするのがポイント。
アレンジ: ミントの葉を添えたり、ライムを軽く絞ったりすると、さらに爽やかさが増し、「森のハイボール」感が際立ちます。
ストレート:
白州本来の複雑な香りと味わいをじっくりと堪能したいなら、ストレートがおすすめです。
ゆっくりと香りを立ち上がらせ、少量ずつ口に含んで舌の上で転がすように味わうと、その豊かな風味の変化を感じられます。
オン・ザ・ロック:
氷がゆっくりと溶け、時間の経過とともに味わいの変化を楽しめます。冷たさで香りが閉じ込められがちなので、少しずつ氷を溶かしながら、口の中で温度変化を楽しむのが醍醐味です。
トワイスアップ:
ウイスキーと常温のミネラルウォーターを1:1で混ぜる飲み方です。バーテンダーがテイスティングの際にも使う方法で、アルコール度数が和らぎ、香りが開きやすくなります。白州の繊細な香りを感じたい時におすすめです。
白州はどこで手に入る?定価と入手難易度
白州はその人気ゆえに、定価での入手が非常に困難な状況が続いています。
希望小売価格:
サントリーシングルモルトウイスキー白州(ノンエイジ)の希望小売価格は、**700mlで7,000円(税抜)**です。
しかし、市場価格は需要の高まりから、この定価を大きく上回ることがほとんどです。
主な入手先:
酒販店、スーパー、百貨店: 不定期に入荷があるため、店舗に足を運んでみたり、入荷情報を確認したりするのが有効です。運が良ければ定価で購入できることもあります。特に、コンビニの180mlベビーボトルは比較的見つけやすいかもしれません。
オンラインストア(Amazon, 楽天, Yahoo!ショッピングなど): 取り扱いはありますが、定価以上の価格で販売されていることがほとんどです。
抽選販売: 大手家電量販店や百貨店、一部の酒販店などで、不定期に抽選販売が行われることがあります。定価で手に入れるチャンスとしては最も確実な方法の一つです。
免税店: 国際線の空港免税店でも取り扱いがありますが、こちらも人気が高く、在庫が少ない傾向にあります。
まとめ:白州と共に、心豊かなウイスキー体験を
シングルモルトウイスキー白州は、日本の豊かな自然と、サントリーのウイスキーづくりへの情熱が凝縮された一本です。その清々しい香り、軽快な味わい、そして奥深い余韻は、飲む人に心地よい安らぎと発見をもたらしてくれます。
入手が難しい状況は続いていますが、もし手に入れる機会があったなら、ぜひ様々な飲み方を試して、白州が持つ多面的な魅力を存分に味わってみてください。
白州と共に、心豊かなウイスキー体験を楽しんでいただければ幸いです。