西郷隆盛の犬「ツン」ってどんな犬?上野の銅像に秘められた愛犬との絆


上野公園を訪れると、堂々とした姿で立つ西郷隆盛の銅像が目に飛び込んできますよね。その足元には、西郷隆盛に寄り添う一匹の犬の姿が。この忠実な相棒、一体どんな犬だったのでしょうか?今回は、西郷隆盛と愛犬「ツン」の物語、そして上野の銅像に込められた意味に迫ります。

西郷隆盛の愛犬「ツン」の正体は?

上野公園の銅像で西郷隆盛と一緒にいる犬の名前は、**「ツン」**といいます。ツンは、西郷隆盛が狩りを好んだこともあり、共に山野を駆け巡った大切なパートナーでした。

その犬種については、残念ながら確固たる記録は残されていません。しかし、ツンの特徴や当時の犬の状況から、いくつかの説が考えられています。

  • 薩摩犬(さつまけん)説: 薩摩犬は、現在の日本犬の一種で、猟犬として飼育されていた犬です。気性が荒く、猟に長けていたとされており、狩りを愛した西郷隆盛の犬としては有力な候補と考えられます。
  • 洋犬との交雑種説: 明治時代初期には、西洋から様々な犬種が日本に入ってきていました。純粋な薩摩犬ではなく、洋犬との混血であった可能性も指摘されています。
  • 雑種説: 特定の純血種ではなく、当時のごく一般的な雑種であったという見方もできます。

いずれにしても、ツンが西郷隆盛にとってかけがえのない存在であり、常に彼の傍らにいた忠実な伴侶であったことは間違いありません。

なぜ上野公園の銅像にツンは一緒にいるの?

上野公園の西郷隆盛像は、彫刻家・高村光雲によって制作され、明治時代に建立されました。なぜ、この重要な人物の銅像に、犬が一緒にいるのでしょうか?そこには、西郷隆盛の人間性や、当時の背景が深く関わっています。

  1. 西郷隆盛の人間性を表すため: 西郷隆盛といえば、日本の夜明けを導いた偉大な革命家というイメージが強いですが、一方で非常に人間味あふれる人物でもありました。特に動物を深く愛し、鷹狩りや犬との触れ合いをこよなく愛したと言われています。銅像にツンを配することで、西郷隆盛の飾らない、自然体で温かい人柄を表現しようとしたと考えられます。
  2. 日常の風景を切り取る: この銅像は、戦場での勇ましい姿ではなく、狩りに出かける普段着の西郷隆盛が表現されています。犬を連れて散歩や狩りに出かける姿は、当時の人々にとって身近な西郷の姿であり、親しみやすさを感じさせる意図があったのかもしれません。
  3. 家族からの要望があった?: 銅像を制作するにあたり、西郷隆盛の家族や関係者から「普段の隆盛の姿を表現してほしい」という要望があったとも言われています。その中で、常に傍らにいた愛犬の存在は不可欠だったのでしょう。
  4. 単身赴任中の癒し: 西郷隆盛は、その生涯において多くの時間を家族と離れて過ごしました。特に奄美大島への流刑中など、厳しい状況の中で、犬は彼の心を癒し、支えとなる存在だったと言われています。ツンもまた、西郷にとって単なるペットではなく、精神的な支えであった可能性が高いです。

ツンが銅像にいるのは、西郷隆盛が動物を深く愛し、飾らない人間性を持っていたことの象徴であり、彼がどれほど愛犬を大切にしていたかを物語っているのです。

西郷隆盛と犬にまつわるエピソード

西郷隆盛は、生涯にわたって何匹もの犬を飼い、深い愛情を注いでいたと伝えられています。

  • 多くの犬を飼っていた: ツン以外にも、西郷隆盛は多くの犬を飼育し、特に猟犬として訓練を施していました。彼が送った手紙の中にも、犬に関する記述が頻繁に出てくることからも、その深い関心が伺えます。
  • ツンとの出会い: ツンは、西郷隆盛が奄美大島から帰ってきた際に連れてきた犬だと言われています。島の生活で彼を癒し、共に本土に戻った忠実なパートナーでした。
  • 「敬天愛人」の精神: 西郷隆盛の思想の根底には「敬天愛人(天を敬い、人を愛する)」という言葉があります。この思想は、人間だけでなく、全ての生き物や自然に対する深い愛情と敬意にもつながるものでした。犬に対する愛情も、この思想の一端を表していると言えるでしょう。

まとめ:銅像に込められた温かい絆

上野公園の西郷隆盛像にツンが一緒にいるのは、単なる飾りではありません。それは、西郷隆盛という人物が、歴史上の偉人であると同時に、動物を慈しむ温かい心を持った一人の人間であったことを示しています。

時代を超えて、私たちに西郷隆盛の人間性とその愛犬との深い絆を伝え続けている、象徴的な存在なのです。上野公園を訪れる際には、ぜひツンの姿にも注目して、その背景にある物語を感じてみてください。

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