桜って実は味がなかった?!「さくら味」の正体と春の風味の秘密

 

春になると、コンビニやカフェで一斉に並ぶ「さくら味」のスイーツやドリンク。淡いピンク色と上品な香りに、うららかな春の訪れを感じる方も多いのではないでしょうか。でも、よく考えてみてください。「桜の花」をそのまま食べたとして、あの独特の「さくら味」がするでしょうか?

実は、桜の花そのものには、あの特徴的な味や香りはほとんどありません。では、私たちが「さくら味」として認識しているあの風味の正体は一体何なのでしょうか?この記事では、さくら味の秘密と、春の味覚を彩る桜の魅力に迫ります!


「さくら味」の正体は「クマリン」という成分だった!

桜の花や葉には、**「クマリン」**という香り成分が含まれています。このクマリンこそが、私たちが「さくら味」として感じている独特の風味の正体なんです。

クマリンは、それ自体が甘味料や香料として使われることはありませんが、桜餅や桜茶などに使われる「桜の塩漬け」の工程で、その香りが引き出されます。桜の花や葉を塩漬けにしたり、乾燥させたりすることで、クマリンが酵素によって分解され、あの甘く、どこか懐かしいような独特の芳香を放つようになるのです。

つまり、桜の花や葉をそのまま食べても、ほとんど味がしないか、わずかな苦みを感じる程度。あの「さくら味」は、加工によって引き出される、香りを楽しむ味だと言えるでしょう。


桜の塩漬けが「さくら味」の鍵を握る

私たちが普段「さくら味」として親しんでいる風味は、主に桜の塩漬けから生まれます。特に、桜餅に使われるのは「オオシマザクラ」の葉の塩漬けが一般的です。

この塩漬けの過程で、葉に含まれる成分が化学変化を起こし、クマリン特有の香りが増幅されます。さらに、塩漬けにすることで保存性が高まり、一年を通して桜の風味を楽しめるようになるのです。

桜茶に使われるのは、主に八重桜の花の塩漬けです。お湯を注ぐと花びらがふわりと開き、塩気とクマリンの香りが溶け出し、上品な春の香りが広がります。


クマリンってどんな成分?安全性は?

クマリンは、桜以外にも、シナモンやセロリ、パセリなど、身近な植物にも含まれている天然の香り成分です。食品添加物としても認可されており、適切な量であれば安全に摂取できます。

ただし、クマリンには肝臓に負担をかける可能性があるという研究もあり、過剰摂取は避けるべきだとされています。しかし、通常の食品に含まれる量や、お菓子に使われる香料の量であれば、健康に害を及ぼす心配はほとんどありません。安心しておいしい「さくら味」を楽しんでくださいね。


「さくら味」以外にもある!桜の楽しみ方

桜の魅力は、香りだけではありません。

  • 五感で楽しむ: 桜の花びらの繊細な美しさ、ひらひらと舞い散る様子、風に揺れる音、そして春の陽気。視覚、聴覚、触覚で桜を感じることも、立派な「桜を味わう」体験です。
  • 桜餅: 関東風の長命寺と関西風の道明寺、どちらも桜の葉の塩漬けが特徴的です。葉を一緒に食べることで、あの独特の「さくら味」が口いっぱいに広がります。
  • 桜茶: お祝いの席で出されることも多い桜茶は、塩漬けの桜を湯で戻し、その香りを楽しむものです。見た目も華やかで、心落ち着く一杯です。
  • 桜スイーツ: 最近では、桜の花びらや葉を練り込んだり、桜の香料を加えたりしたケーキ、マカロン、チョコレートなど、様々な桜スイーツが登場しています。

まとめ:「さくら味」は春の訪れを告げる香り

私たちが愛してやまない「さくら味」の正体は、桜の花や葉が持つ香り成分「クマリン」が、加工によって引き出されたもの。つまり、「さくら味」は、味覚だけでなく嗅覚でも楽しむ、繊細で奥深い春の風味だと言えるでしょう。

次に「さくら味」のお菓子やドリンクを口にする時は、ぜひその香りの秘密に思いを馳せてみてください。きっと、これまで以上に春の訪れを感じ、一層深く「さくら」の魅力を味わえるはずです。

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